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地域活性のしごとの一環で遠野に引っ越したバリバリの広告マンの著者。3年間のしごとを終えれば東京へ戻ろうと思っていたが、地元の郷土史家の「先生」についていくうち、いつしか、まったく知らなかった『遠野物語』とその世界に魅せられ、民俗学にのめり込み、ついには伝統芸能である「しし踊り」の担い手になり、ついには完全に移住し、プロデュース業をしながら遠野の当事者として9年目を過ごしている。
地域活性に興味があるひとが現地での仕事をどうすべきか悩んでいるとき、著者は「ローカルでの仕事の作り方は“移住する”ということが最大のソリューション」だと言い切る。「関係性を重視する地域の人々にとって、その土地で暮らしている、実存していることが何よりの安心感につながり仕事につながる。スキルより、関係性。不思議だが、心配するより移住した方が早いのだ」。この部分に、全国の地域おこし協力隊の面々はみな強く頷くに違いない。
ローカルで活動をしたいひとは少なくとも必読!
富川 岳(とみかわ・がく)
1987年、新潟県長岡市生まれ。広告会社にプロデューサーとして勤務した後、2016年に岩手県遠野市に移住。恩師との出会いで『遠野物語』の世界に戦慄し、深く傾倒。以来、民俗学をベースとした様々なプロデュースや創作活動を行っている。また、「張山しし踊り」にて郷土芸能の舞手としても活動中。平地人と山人の両面を持ちながら文化振興に励む日々をおくる。2023年、『本当にはじめての遠野物語』を自費出版。株式会社富川屋代表。遠野市観光協会理事、2023年度岩手県庁文化振興課政策メンター。
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