甘い予感 ZINE

大和田慧

アーティストにとってコロナ禍は苦しい日々だった。ライブハウスは短縮営業または休業せざるを得なかった。また、これは音楽に限らない話だが、出会いとその手応えなしにクリエイティブな生活は成立しないのだ。EP『甘い予感』はそんなコロナ禍でこそ生まれた作品である。「触れ合える喜びが/溢れて涙になる」―――大和田慧がZINと黒田卓也とフィーチャーした曲「Into the Night」はそんなフレーズからはじまる。恋人との触れ合いに重ねて、人と会って、話して、笑って、泣いて、抱き合える日々への讃歌として聴いてしまう。

本書では、ひととの出会いについて書いている。ダンサーの柿崎茉莉子との文字通り手触りのある共演でコロナ禍で減退したクリエイティビティを再び我がものとし、オーストラリア・ゴールドコーストの穏やかな人々との出会いで希望を得る。

帰国してすぐ、作りかけの曲にようやく歌詞を書けた。『甘い予感』というタイトルにした。

本書は、シンガー・ソングライターの大和田慧が自身のCDの付録として、歌詞集も兼ねている。CDを出すから、それにつける本を一緒につくってほしい。そう請われて編集と制作を担当することになった。彼女が(紙の)本というかたちでの発表にこだわったのは、コロナ禍でさらにオンライン化が進行した社会で、その裏側で失われた手触りやぬくもりを表現したかったのだ。画家・大岡弘晃による装画もあたたかい。大和田慧の盟友であり親友の安達茉莉子による小説「甘い記憶」も収録。(中岡)

 

目 次

  • あなたの世界に私を入れて(大和田慧)
  • 甘い予感に従って(大和田慧)
    • Lyrics / 甘い予感
    • Lyrics / Into the Night feat.ZIN & 黒田卓也
    • Lyrics / Fortunata
    • Lyrics / Gone
  • Message(柿崎麻莉子)
  • Message (宮川純)
  • 祝福(大岡弘晃)
  • 小説 甘い記憶(安達茉莉子)
    • Lyrics / 音の記憶
  • おわりに

表紙装画 大岡 弘晃

プロフィール

大和田 慧 Kei Owada

シンガー・ソングライター、作詞作曲家。東京都出身。早稲田大学第二文学部卒。 映画で観たゴスペル音楽に魅了され、10代の頃からソウル・ミュージックにのめり込む一方、音楽好きな父の影響で親しんだジョニ・ミッチェルやキャロル・キングに憧れて曲作りを始める。やさしくソウルフルな歌声と深いまなざしを持つ言葉で、感情を解放するような音楽を目指している。 2012年より定期的に渡米しながら活動し、NYのアポロシアターにも出演。これまでに計6枚のアルバム/EPを発表。NHKみんなのうた『まどろみ』(2018)、『カヌーのうえでひとやすみ』(2023)を手掛けるなど楽曲提供も行う。MONDO GROSSO、Tokimeki Recordsなど多くのプロジェクトに参加し、作詞を担当した MONDO GROSSO「偽りのシンパシー (vocal:アイナ・ジ・エンド)」はTBSドラマ挿入歌として話題になる。ショートムービー、ダンスやアートのコラボレーション、朗読、Podcast「大和田慧と安達茉莉子のもちよりRadio」など多岐に渡り活動。 コロナ禍で制作したEP『LIFE』以来、2年ぶりとなるEP『甘い予感』を2023年10月にリリース。

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